ガワン・ワンドゥンさん 拷問被害者が語る 全国証言ツアー
チベットの現実
2002.11.1~12.1
各地での様子をご紹介します

鎌倉講演 2001.11.3

【鎌倉講演で参加者から寄せられた質問とガワンさんの答え】

Q.

 現在はインドの寺院で尼僧として生活をしているのですか?

A.

 亡命してすぐにダラムサラにあるドルマリン尼寺で4年間出家生活を送りました。ですが先ほど説明があったように交通事故に遭ってしまい、お寺での尼僧生活のカリキュラムをこなすことが難しくなってしまいました。ですから今はお寺から離れて家を一人で借りて英語の勉強をしています。

Q.

 現在もこのような過酷な拷問が行われているのですか? 本当に行われているのでしょうか? 現在中国に居る人達は(拷問の事実を)知っているのでしょうか?

A.

 いま現在でも間違いなく行われています。例えばつい最近1998年にタプチ刑務所でデモが起きました。そのとき発砲され拷問を受けて当時だけでも尼僧6人が刑務所の中で亡くなり、その時の拷問が元で今回釈放されたガワン・サンドルはほとんどベッドから起き上がれない状態になってしまいました。
 ほとんどの中国人はこの事実を知らされていないと思います。たとえ知っていたとしてもあまりにも中国の圧制が厳しいために他の人に伝えることが出来ない状態だと思います。もちろん中国人のすべてが悪いわけではなくて中には多くの(良い?)中国人がいると思います。これは中国人個々の性格の問題ではなく中国自体の(政治の?)問題だと思っています。
 (アムネスティ事務局長の石原さんからインドネシアでの事例説明)

Q.

 (チベット語で))留置場に入っているのは尼僧とかお坊さんが多いのですか?

A.

確かにそうですが、学生とか子供を持つ人たちも入っています。

Q.

こういう活動を大きくして世間に知ってもらうと、ダラムサラのみなさんに危険が及ぶことはありませんか?

A.

 ダラムサラはインドにありますので、彼女が言うのは、ダラムサラに住んでいる人達が政治活動をすることに対しては問題はないようです。ですがチベットに残されている彼女の実家の両親・家族は(彼女のこのような活動を中国側が知れば)尋問されたり・質問を受けるに違いないそうです。

Q.

中国政府がを開放する以前のチベットの状況は相当ひどいものだと聞いています。一応は解放したのだと思うのですが、このようなことを引きずっているのは宗教上の問題なのですか?それとも社会・経済上の問題なのですか?

A.

 (先にチベット語で質問した方がガワンさんに代わりチベット問題の概略を説明。すばらしい…)
 (アムネスティ事務局長さんから、アムネスティの人権侵害そのものに対する活動の説明)

Q.

長いあいだ拷問を受けてそれを耐えてこられたのですね? どういう事を思って耐えてこられたのですか

A.

 私は拷問を受けている時、または刑務所での辛い日々を過ごさねばならない時には、常に他の人達のことを思っていました。たとえば私は3年の刑しか受けていません。
 他のチベット人はもっと長い刑期あるいは一生刑務所で送ったものもいます。そういった人達の苦しみはいかほどであったことか?そういった人達はチベットの人権のために受けたわけですから、私も同じように受けなければならない。他の人に出来て私に出来ないはずがない。私にもそういった責任と義務があるのだと言い聞かせてその時期を過ごしました。

Q.

チベットでは古いお寺がほとんど壊されてしまっていますが、今日この会場にいらして、江戸時代から弱い立場の女性を守ってきた尼寺、このお寺(東慶寺)をご覧になってどう思われましたか?

A.

 チベットでは多くの寺が破壊されました。文化大革命を中心にチベット国内で約 6000以上の寺が破壊され、貴重な仏像やタンカ(仏画)が中国内に持ち出されその多くは今でも取り返せない状況です。80年代から政策が変わり徐々に寺の再建が許されましたが昔の繁栄をしのぶだけで昔とは比べ物にならない状態です。私は今日このお寺の宝物殿でチベットの古いお経があるのを見ました。今のチベットにはあのような時代のお経はないのでは? 古いものが守られていること、古い貴重な仏画や仏像が残されているのに深い感銘を覚えました。
 かけこみ寺のことですが、こういったものはチベットには無いと思います。チベットは昔から小さいときから尼僧として出家するので、こういった形で出家して残ったご婦人方のようなケースはまずなかったと思います。
 (アムネスティ事務局長から、ガワンさんが東慶寺を訪れた時の様子の説明)

Q.

チベットの一般の人達は(独立について)どのように考えていますか?

A.

チベットの人達はみんな独立を望んでいるはずです。こうしてチベット人の希望で あるダライラマ法王がたゆまずチベット独立のために働いているわけですから、きっといつの日か必ずチベット独立を実現できる日が来ることを私たちは信じて疑っていません。

Q.

独立の運動をするには団体に加入しなければならないのでしょうか?

A.

 政治活動をするには個人or団体かという質問に対する答えですが、私が思うには、やはりグループに入って活動する方がいいと思います。というのもグループというのは人権に熱心や政治意識を持った個人の集まりだからです。一人の力よりは同じ思いを持った個人の集まりであるグループの方がより大きな仕事が出来ると思います。そういったことはグループのみならず、グループのさらに集まった大きな政府などにも言えると思います。

Q.

いまの日本の仏教はアクティブとはいえず、在家中心で出家者が少ない状況です(中略)。日本仏教についてどのような印象をお持ちですか?

A.

 来日して間もないので実際に自分の眼で日本の仏教の状況は判断し難いのですが、チベットよりも早い時代に仏教が日本に伝来したと聞いています。たくさんのお寺があることとたくさんの人達がお寺に来ているのを見てとても日本は信心深いと思いました(場内爆笑)
 チベットと日本を比べるとチベットの方が宗教中心の生活をしていると思います。私たちの生活のほとんどが仏教に基づいていますが、日本では政治・経済に比重が置かれているように感じます。






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